総研ブログ

昨日のドル円相場ときょうのひとこと(5/9木)

口先介入は言うに及ばず実弾介入でも円安不変との見方広がる 2年前と同じく米CPI鈍化の神風待ちに

———–5/8ドル円相場————————–

日銀総裁発言には耳を貸さず155.685まで円安進行

OP154.624 HI155.685  LO154.526 CL155.601

———-5/8主な出来事—————————-

09:06 鈴木財務相
「円安は輸入物価の押し上げというマイナス面に強い懸念」
「市場を注視し、とるべき時にはしっかり対応する」

09:17 植田日銀総裁
「(円安について)具体的なコメントは控える」
「過去と比べると為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」
「為替動向次第で金融政策の対応が必要になる」

15:00 独3月鉱工業生産(前月比) -0.4%
前回+2.1%(1.7%)
予想-0.6%

18:16 植田日銀総裁
「急速かつ一方的な円安は日本経済にマイナスであり望ましくない」
「(円安が)基調的な物価上昇率に影響してくる、そのリスクが顕著に高まれば政策上の対応が必要になる」

24:00 コリンズ米ボストン連銀総裁
「経済活動とインフレ率の最近の予想外の上振れは、インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信が強まるまで金融政策を現行水準で維持する必要があることを示唆している」

———-5/8株式・債券・商品———————-

日経平均 38202.37▼632.73
豪ASX  7804.486△11.163
上海総合 3128.480▼19.258
英FT   8354.05△40.38
独DAX  18498.38△68.33
NYダウ  39056.39△172.13

日10年債利回り 0.882%△0.009
豪10年債利回り 4.292%▼0.013
英10年債利回り 4.139%△0.015
独10年債利回り 2.462%△0.043
米02年債利回り 4.8365%△0.0062
米10年債利回り 4.4937%△0.0368

NY原油 78.99△0.61
NY金  2322.30▼1.90

———–5/9注目材料—————————–

<国内>
08:30  3月毎月勤労統計(現金給与総額)
08:50  4月外貨準備高
08:50  日銀金融政策決定会合における主な意見(4月25-26日分)

<海外>
08:01  4月英RICS住宅価格
—–  4月中国貿易収支
20:00  BOE政策金利
20:00  英MPC議事要旨
20:00  BOE金融政策報告書
20:30  ベイリーBOE総裁、記者会見
21:00  4月メキシコ消費者物価指数
21:15  チポローネECB専務理事、講演
21:15  デギンドスECB副総裁、講演
21:30  前週分の米新規失業保険申請件数
24:00  マックレム・カナダ中銀総裁、記者会見
25:15  ピル英MPC委員兼チーフエコノミスト、質疑応答
26:00  米30年債入札
27:00  デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
28:00  メキシコ中銀政策金利

———–5/9きょうのひとこと———————-

植田日銀総裁は、4月会合後の記者会見で、円安は基調的な物価上昇率に「ほとんど影響しない」と述べていましたが、昨日の国会答弁ではこれを事実上修正。夕方の講演でも円安は望ましくないと明言しました。先日、官邸に呼びつけられて岸田首相から苦言を呈されたのだろうと想像します。それでも円安は止まらず、もはや市場は当局の口先の対応には耳を貸す気がないようです。そうなると気になるのは実弾介入の再発動ですが、これについてもロイターは昨日、米市場関係者の話として、日米間の大きな金利差を考えると介入しても効果は一時的だろうとの見方を紹介しました。介入が持つ実際のポテンシャルはともかく、市場参加者の多くがそうした見方を強めているのだとすれば介入しても大きな効果は期待できないでしょう。2年前の秋の介入後と同じように、米CPI鈍化という神風が吹いてドルが下落するのを待つ。いまはそれしかないという状況かもしれません。なお、米4月CPIは来週15日に発表される予定です。

本日もよろしくお願いします。