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2010年8月28日バックナンバー
先週のドル円は政策催促相場から期待相場に変化。来週は・・・
- 2010年8月28日(土)18:13
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こんばんは。
先週のドル円相場は一時83円58銭と15年ぶりのドル安円高水準を更新した後、85円台に買い戻されるという出入りの激しい展開となりました。1週間の動きを振り返っておくと・・・
【月曜日】
週明け東京市場は85円60銭前後で始動。注目の管・白川電話会談で具体的な円高対策が出なかったことで午前中に85円30銭台へ軟化。午後は材料難から様子見となり85円30-40銭台で揉み合い。欧州勢参入後、20:00過ぎに85円割れ狙いの円買いの噂で急落するが、85円09銭で息切れ。85円10-20銭台でNY勢の参入待ち。NY勢参入後、米国株が下げ幅圧縮に転じる場面で85円30銭台まで反発するが上昇力は乏しい。NYダウ引け後、東京未明の薄商いを狙った円買い仕掛けで急落するが、85円05銭で息切れ。
【火曜日】
東京早朝は85円10銭台。日経平均9000円割れを背景に3営業日ぶりに85円を割って84円80銭台に下落。欧州勢参入後、クロス円を巻き込んだ円買いが加速。日本時間夕刻の野田財務大臣の記者会見が新味に乏しいと受け止められると失望感で84円10銭台に急落。一旦はショートカバーで84円40銭台まで買い戻されるが、欧州株軟調を受けてリスク・オフ気運が強まると円買いが再加速し83円70銭台に急落。米国時間帯に入り、23:00発表の米7月中古住宅販売が弱い結果になると83円58銭の15年2カ月ぶり水準に急落。日経朝刊早刷版で「日銀追加金融緩和検討」との報道が伝わると一旦84円40銭台に買い戻されるが、具体策見極めムードも強く84円前後に押し返されて東京勢の参入待ち。
【水曜日】
東京早朝は83円90銭前後。日銀追加金融緩和への思惑や野田財務相の「必要があれば適切に対応」との発言を背景に午前中に一時84円49銭まで上昇。正午から始まった菅首相、仙石官房長官、野田財務相の会談で円高株安への具体策無しとの報道が伝わると軽い失望で84円21銭に反落するが、「政府筋」の話として「為替介入を排除しない」との報道が伝わると84円40銭台に反発。欧州勢参入後、時間外の米長期金利上昇などを手掛かりに一時84円68銭まで上伸したが、米国で発表された7月の耐久財受注、新築住宅販売がともに予想より悪い結果になると84円06銭に急落。その後、10000ドル割れ水準からNYダウが値頃感で急騰すると一時84円83銭まで上昇するが、すぐに利食われ出入りの激しい展開。
【木曜日】
東京早朝は84円60銭前後。政府の追加経済対策に日銀への追加金融緩和要請が盛り込まれるとの報道等を手掛かりに一時84円88銭まで上昇するが、寄り付き後日本株が冴えない展開になると84円60銭台に反落、東京時間帯は84円60-80銭台での推移。欧州勢参入後、84円台後半の重たさを嫌気して84円40銭台に下落。米国時間帯に入り、21:30発表の米失業保険新規請求件数が予想よりも良い結果になると84円72銭まで急騰するがこの水準で息切れすると再び84円40銭台に押し返される。その後は米国株睨みの展開となり、84円30-60銭台で一進一退の展開に。
【金曜日】
東京早朝は84円40銭台。84円50銭前後での上値の重さ確認後、日本株安寄りへの警戒感から一時84円27銭まで下落して午前中は84円30-40銭台での推移。日本時間正午過ぎに「本日中に菅首相が円高対策の方針を発表」との報道が伝わると84円50銭台に上昇、後場の日本株が対策期待で大幅に上昇するとクロス円も巻き込んで一段高となり、一時84円85銭。欧州勢参入後、84円60-80銭前後でしばらくもみ合ったが、21:30発表の米第2四半期GDP改定値の下方修正幅が予想より軽微に収まったことを好感すると85円10銭まで上昇。その後、バーナンキFRB議長が講演で景気刺激具体策を示さなかったことで一時84.30円台まで反落したが、NYダウが前日比100ドル超上昇したことでリスク・オン気運が強まるとクロス円を巻き込んで85円45銭まで続伸。一部メディアが「週明けに日銀が臨時会合開催」と伝えたことも円売り材料にされたが、引け前には週末のポジション調整が入って85円24-25銭で取引終了。
・・・という流れでした。
<先週のドル円は、前半が政策催促相場、後半は政策期待相場>
先週のドル円は、前半83円58銭まで急落した場面ではいわゆる「政策催促相場」の色彩を強めましたが、日本株も巻き込んだ円高デフレの加速に対する市場の懸念がようやく政府・日銀にも伝わり、週後半には「政策期待相場」に装いを改めて85円台を回復しました。菅首相が必要があれば「断固たる措置」を採ると発言して、非常時の為替介入に対する意思を示したほか、国内外の注目を集めている日銀の金融政策についても、各種メディアが揃って週明けの臨時政策会合開催の可能性について報道しています。
<来週前半は日銀の金融政策に注目が集まる>
来週の注目点ですが、2つ挙げておきます。まず週明けは、政府・日銀の政策に集まることが予想されます。「米国発のドル安・円高圧力が本邦に押し寄せてきて市場が不安定化しても、しばらく楽観的な経済見通しを維持して様子見を決め込み、円高デフレの深刻化への心労のあまり本邦の株式市場が悲鳴を挙げてからやっと日銀が動く」というパターンは、昨年晩秋のドバイ・ショック当時を彷彿とさせるものがあります。ちなみに、前回ドバイ・ショックの後に金融緩和に慎重な日銀の心が折れたのは、ドル円84円80銭前後、ユーロ円126円80銭台、日経平均9070円台までの差し込みを見た後でした。今回は、ドル円83円50銭台、ユーロ円105円40銭台、日経平均8800円台となっており、本邦の金融政策運営が後手に回る度合いは、ドバイ・ショックの時よりもむしろ遅くなっている感があります。
<かなり後手を引いてやらされた感は否めないものの・・・>
日本では十分な金融緩和を既に行っているので当面は効果が出るのを粘り強く見守りつつければ良いと思っていても、為替相場には相手もあることなので、米国で景気が減速して金融緩和が進んで温度差が生じれば、円高圧力が発生してしまって、事実上の金融引き締めに等しい影響が日本経済に及ぶことになります。海外経済や為替相場は国内金融政策運営の直接的な目標ではないという理屈は正論ですが、海外経済や為替相場の影響を非常に強く受け易い日本経済の特質を考えると、海外景気・金融政策運営に変化が生じた場合は、極端な温度差が生じないように配慮して国内の金融政策運営を行う必要があります。どんなに頑固に追加金融緩和を嫌がっていても、円高株安が急速に進行してしまえば、結局は追加金融緩和に追い込まれることになります。かなり後手を引いてしまった感は否めませんが、この期に及んで何もやらないと大変なので、週明けに日銀が追加金融緩和に動くというニュースは、とりあえず朗報です。
<市場が織り込む追加金融緩和策の内容?>
ただし、油断は禁物です。現時点で入手可能な報道によれば、菅首相と白川日銀総裁の直接会談が30日以降で調整中であるほか、31日には政府が追加経済対策の基本方針を閣議決定する見込みになっているようです。「週明けの開催の可能性」が報道されている日銀の臨時金融政策決定会合については、(1)固定金利0.1%の新型オペでの資金供給枠を10兆円増額して30兆円にする、(2)同オペでの資金供給期間を3カ月から6カ月に延長する、などの対応が検討されていると言われており、その辺が市場関係者が織り込む期待の平均値になっている感じです。本邦の金融政策対応については、かなり後手に回ってしまった感がある分、本来ならある程度の「ポジティブ・サプライズ」が欲しいところであり、最低限市場が織り込んでいる政策は提示しないと失望感を生む可能性があります。
<今後の政策運営に関する日銀のメッセージにも注目>
また、何らかの追加金融緩和が発表されると同時に伝えられる日銀のメッセージにも注目したいと思います。昨年12月以降、「10兆円規模の新型オペの導入」、「その20兆円規模への拡充」、「3兆円規模の成長基盤支援の資金供給」、といった形でほぼ3カ月おきに日銀は何らかの追加金融緩和的な政策の導入を発表しているにもかかわらず、イマイチ評価されないのは、先行きの金融政策運営の機動力への疑念が付きまとっていることがあるように思います。実際、8月10日のFOMCで米FRBは住宅ローン担保債券と米国債の「入れ替え」しか発表していないのに、景気見通しの下方修正と景気減速懸念への配慮方針を6週間以上前から訴えながら金融政策運営を実施しているために、実際に行っている政策以上に金融緩和を行っているようなイメージ作りに成功しています。よって、来週どこかで実施されると言われている臨時金融政策決定会合で何らかの追加金融緩和が発表されたとしても、日銀が「もうこれ以上の金融緩和はやりたがっていない」みたいな印象を植え付けてしまうと、せっかくやった政策の効果が殺がれる可能性もあります。市場に広がるデフレ長期化、景気減速懸念を日銀も共有し、必要があれば機動的な追加金融緩和に前向きな姿勢を提示するか否かによって為替の反応に差が出ると思われます。
<来週後半は米雇用統計を意識した米経済指標祭り>
週半ばから後半にかけては、毎月月初に恒例の「米国の経済指標祭り」になります。週末に登場する真打の米8月雇用統計に至るまで、ADP全米雇用報告やISM景況指数など前座を務める統計群も非常に華やかでマーケットの注目を集めます。梅雨入り前後からのドル安・円高は、基本的には米国景気下振れ懸念と金融緩和の長期化観測の賜物であっただけに、「米国景気の回復力の強弱判断」は、ドル円の趨勢を考える上で、日銀の対応以上に影響力の大きいテーマです。最近のドル円相場は下落トレンドの中にあっても、日々発表される米国の経済指標に対しては結果に応じて是々非々の比較的素直な反応を示しています。
<来週もよろしくお願いします>
まだ暑い日が続いていますが、来週は前半が本邦の政策フェスタ、後半が米経済指標祭りになって、とても賑やかな1週間になることが予想されます。市場関係者にとっては落ち着かない日々が連続しそうですが、夏バテせずに乗り切りたいですね。来週もよろしくお願いします。
日銀が週明けにも臨時会合開催を検討、追加金融緩和を議論=関係筋
- 2010年8月28日(土)11:44
- この記事についてつぶやく
関係筋によると、
・日銀は週明けにも臨時の金融政策決定会合を開催する方向で検討に入った。
・足元の急速な円高が日本経済の回復に悪影響を及ぼすおそれがあり、追加金融緩和による経済下支えの必要性を議論。
・追加策としては、昨年12月に導入した新型オペの拡充が有力。
・ 長期国債買い切りオペの増額も選択肢だが、財政ファイナンスと市場に受けとられる可能性があることなどから日銀内では反対論も根強く、具体策は新型オペ拡充が軸になる見通し。
・臨時会合の具体的な日程は未定だが、菅直人首相は、白川方明日銀総裁が26-30日の米国出張から戻り次第、会談したいとの意向を示しているほか、政府は31日に「経済対策の基本方針」を決定する予定。このため、早ければ31日にも臨時会合が開催される可能性がある。
・日銀の定例政策決定会合が9月6-7日に予定されていることから、臨時会合は見送られ、定例会合で追加緩和が議論される可能性も残されている。
追加オペで、現在の20兆円を30兆円に、期間を3カ月から6カ月に延ばす、ということが軸になるのでしょうか。
しかし、この程度であれば、ある程度は市場に織り込まれてきつつあるように見えますが。
それでも株式市場は資金供給が多くなるのをみて、株を買っていくのでしょうか。




