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人民元高め誘導の再開初日を過ごしてみた感想・・・
- 2010年6月22日(火)09:34
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昨日の為替相場は、週末に飛び込んできた人民元弾力化報道を受けて、ドル人民元の実際の値動きと、国内外の株価の反応を睨みながらの、とても忙しい展開でした。東京、ロンドン、NYと地球を一回りして為替相場が返ってくる間の動きには、それなりの示唆があったように思いますので、備忘録的な意味合いを兼ねて、人民元高め誘導初日の動きをひかえておきたいと思います。
まず、ドル人民元相場の動きをみると、午前中に中国人民銀行が発表した昨日の基準値は1ドル=6.8275元と前週末と変わりませんでしたが、その後の上海市場では、かなり鮮明に人民元の上昇が確認できる展開になりました。上海市場の引けにかけて、ドル人民元は終日下落基調で推移し、引け際に一時1ドル=6.7962元と、2005年7月21日に現行の管理フロート制が導入されて以降では最も高い水準まで人民元相場が上昇しました。2008年夏に北京オリンピックが終わった後ぐらいから中国政府は管理フロート制とは名ばかりの事実上の人民元のドルペッグを続けていましたので、これでようやくそれが終了して、弾力運用による人民元の高め誘導が再開されたと言えそうです。
一方、これに対する為替の反応ですが、ドル円は週明け早朝の商いがとても薄い時間帯に「人民元高=円高」という短絡的な思惑を背景にした円買いの動きから一時的に90円ちょうど界隈まで下落した場面もあったようですが、追随勢力に乏しかったことからすぐに持ち直し、その後は紆余曲折あったものの、人民元の柔軟化を好感した国内外での株価上昇や、元高による中国の資源購入パワーの高まりに期待した豪ドル円などの上昇につれる形で反発し、一時91円台半ばまで上昇する場面もみられました。ただし、米国時間帯に入って寄り付き100ドル以上高かったNYダウが終日ダレて上げ幅を圧縮し、引け前に小幅マイナス圏まで下落すると、ドル円も反落して今朝は再び91円割れ水準に押し返されています。
昨日のクロス円の動きをみても、ほぼ同じようなパターンを踏襲しています。微妙な時間帯のズレはありますが、基本的には国内外で株価や国際商品市況が上昇している時期にはリスク許容度緩和の思惑から、豪ドル円、キウイ円、カナダ円、ランド円などの資源国通貨円が買われ、ユーロ円、ポンド円などの欧州通貨円もつれ高する一方で、NYダウがダレてくるとクロス円も総崩れになる、という大雑把な図式がほぼキープされているという印象です。
要するに、昨日の為替相場全体の地合いを概観すると、マーケット・トークの材料としての注目度は人民元に席巻されたような印象がある一方で、ドル円やクロス円の値動き自体は、国内外の株価や国際商品市況の動きに象徴されるリスク・オン、リスク・オフのムードに左右されて決まると言う、これまでとあまり変わらない相場展開が引き継がれているようにみえます。
昨日の緊急動画でも解説いたしましたが、未だに中国政府のコントロール下にあるドル人民元と変動相場歴37年以上が経過しているドル円が長期間同じ方向に動くという期待に合理的根拠は殆どありませんし、局所的にそう見える時期があっても、実際の値動きを比べてみると、過去ドル人民元とドル円が長期にわたって連動していたという状況証拠を探し出すのも困難です。「今後のドル人民元の方向によってドル円の動きが決まる」という議論は、すなわち「中国の為替政策によってドル円の動きが決まる」と言うのと同義であり、そんなことはこれまでも起きていませんし、これか起きるとも考えられません。
これまで繰り返し申し上げてきた通り、近年のドル円の基本的な趨勢は、やはりアメリカの景気金融情勢およびそれに対する市場の期待の変化によって決まっています。また、豪ドル円などの資源国通貨円の趨勢は、世界的な景気回復感の強弱やグローバルな株価動向によって左右されるリスク許容度の伸縮によって決まっているという色彩が非常に強いと言えます。為替相場全体を覆う大局観を養う上では、今後のドル人民元の動き如何に関わらず、世界景気の回復力の強弱、主要国の金融政策動向など、基本に忠実な状況判断が必要だと思われます・・・




