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外為リアルタイムレビュー: 2010年6月12日バックナンバー

2010年6月12日バックナンバー

先週のドル円最大高低差は約1円25銭。敬遠されてる背景は?

こんばんは。

先週のドル円相場は下値90円80銭台、上値92円00銭台の狭い値幅で方向感の出ない揉み合いに終始するという難しい展開になりました。一週間の動きを振り返っておくと・・・

【月曜日】
週明けの始動は1ドル=91円80銭台。前週末NYの流れを引き継ぎ、早朝から円高気味の展開。前場の日本株が下げ幅を拡大する局面で一時90円97銭まで売り込まれるが、後場に入り日本株の下落が一巡するとショートカバー優勢になって91円50銭前後まで買い戻される。欧米勢力参入後も手掛かり難で株価眺めの展開が続き、NYダウ先物の上昇局面で一時92円08銭と先週の高値を記録するが、引けにかけてNYダウが急落すると一時91円28銭まで売り込まれる場面も。

【火曜日】
東京早朝は91円30-40銭台。日欧米の株価まかせで各時間帯のドル円及びクロス円の方向感が決まる展開が続く。前日比安く寄り付いた日本株がプラス圏に浮上すると91円台後半を回復し、時間外のNYダウ先物が強含む場面では一時91円91銭まで上昇するが、スペインの公務員ストへの警戒感を背景に欧州株が値崩れすると91円20銭台に下落。英独株価が下げ幅圧縮に転じると91円60銭台まで買い戻される場面もあったが、NYダウが序盤に下落すると90円84銭まで売り込まれる。その後NYダウが切り返してくると91円台を回復、終盤にかけて上げ幅を拡大すると一段高となり、91円50銭台まで買い戻される。

【水曜日】
東京早朝は91円50銭前後。日本株、上海株、NYダウ先物、欧州株などの国内外の株価を睨みつつ、東京からロンドンにかけて91円23銭から60銭の狭いレンジで一進一退。NY勢力参入後、寄り付き前のNYダウ先物の堅調を手掛かりに91円66銭まで上昇するが、バーナンキFRB議長の米国景気慎重発言で米2年債利回りが下落すると91円20銭台まで下ヒゲを伸ばす。米国株寄り付き後は株価任せの展開となり、NYダウが1万ドルの大台を回復すると91円60銭前後まで再騰、引け際に9900ドル前後まで値崩れすると91円05銭まで売り込まれる場面も。

【木曜日】
東京早朝は91円10-30銭台。NZ中銀利上げを好感したオセアニア円上昇の余波で一時91円38銭まで上昇した後、売買交錯して91円10-20銭台でもみ合い。日本株引け後、一部勢力の仕掛け的な円買いの噂を背景に90円85銭まで急落するが戻りも早く、中国年金基金要人のユーロ圏債務問題への楽観発言や欧州株の持ち直しを背景にクロス円が全面高になるとドル円も91円台に復帰。ECB理事会は政策金利据え置きで直後の反応は限られたが、トリシェ総裁が3カ月物の無制限資金供給の9月までの継続を表明し たことや、独憲法裁が欧州金融安定制度への保証差し止めを求めた議員請求を却下したことを好感してクロス円が再び全面高になるとドル円も91円46銭まで連れ高。米国勢参入後は米国株にらみとなり、高寄りしたNYダウが頭打ちになると90円90銭台まで反落するが、引け際に上伸すると91円20-30銭台まで値を戻す。

【金曜日】
東京早朝は91円30-40銭台。NY株の上昇を好感した日経平均が序盤上値を伸ばす場面で91円73銭まで続伸するが、日本株が頭打ちになると小反落。東京午後からロンドン序盤にかけて、91円40-60銭台で方向感のない揉み合いに終始。その後、欧州株が堅調に推移し、ユーロ円が週初来高値の111円38銭まで上昇したことなどを背景に91円77銭まで上昇するが、米5月小売売上が弱い結果になると91円20銭界隈まで急落、米6月ミシガン大指数が強い結果になると再び91円70銭台を回復するなど、忙しい展開。しかし、買い戻し一巡後は材料難に陥り、91円50-70銭台の狭いレンジで週末モードに入り、91円67-68銭で週末の取引を終える。

・・・という流れでした。

【先週のドル円は寄り引けの高低差、最大値幅ともにかなり控えめ】
この結果、先週のドル円場は、始値が91円80銭台、高値92円00銭台、安値90円80銭台、終値が91円60銭台となっており、寄り引けの高低差は約20銭程度、上ヒゲと下ヒゲの最大高低差も約1円25銭程度と、週足の出来上がりとしては、控えめというか、やや物足りない結果になりました。この相場では、ごく一部の運と実力に恵まれた参加者を除き、ドル円では大損もしにくいかわりに、大儲けも難しいという状態だったと推測されます。先週は、クロス円相場やストレートドル相場ではそれなりの値幅が出来ましたので、総じて言えば、何かドル円だけが蚊帳の外にいたみたいな状況でした。

【主体性に乏しく、とても難しい値動きが続くドル円は敬遠されている?】
先週に関して言えば、日本で菅内閣が発足して市場参加者に話題は提供したものの、ドル円相場に直接的な影響を与える米国景気・金融政策絡みの材料供給が少なめだったことが値動きの鈍さに影響したのかもしれません。ただし、先週に限らず、最近のドル円相場は、基本的に国内外の株価動向やクロス円睨みで主体性に乏しい値動きが続いており、方向感もイマイチはっきりしない状況が続いています。「神経を使わされる割には値動きの背景が時間帯によって豹変し、しかも方向感が不明瞭」という困った状態が長く続いているために、だんだん皆に敬遠され、値動きを作り込むのに必要不可欠な市場参加の「やる気」が、一時的にせよドル円以外の他通貨市場に逃げて行っているのかもしれません。

【ドル円は気になる存在だけれど、しばらくは触れずにそっとしておくのが無難?】
「国内外の株価動向等によって喚起されるリスク・オン、リスク・オフ・ムードの影響を受けて基本的な方向感が決まる」という点は、ドル円も他通貨市場も概ね同じようにみえますが、高金利通貨や資源国通貨、或いは欧州通貨の方が、各地域ごとに注目される独自材料がある分だけ、値動きの反応は良いという印象があります。例えば、先週であればNZ中銀が利上げを開始する一方で欧州中銀は3カ月物資金供給の延長を決めるなど、金融政策絡みの動きや期待の変化を促す材料提供が、日本に比べて豊富でした。また、その善悪はともかくとして、南欧諸国や東欧諸国の金融問題に対する思惑の変化なども欧州固有の材料として注目されています。他方、日本の場合、多少強め或いは弱めの経済指標が出ても、それが契機となって目先の金融政策運営に大きな期待の変化が生じる訳ではありませんし、総理大臣が変わってもそれが契機になって国内外の実体経済の趨勢がすぐに変化するという期待は生じにくいのが現状です。現下の局面で、敢えて難しいドル円を戦場に選ばなくても、勝っても負けても分かり易い反応が期待できる他通貨市場の方が魅力的にみえてしまうのも無理はないのかもしれません。そのような環境下、「ドル円は気になるので見ない訳にはいかないけれど、しばらくは触らずにそっとしておこう」という気持ちになっている参加者が増えているように思いますし、実際にそうなので、こんな相場展開になっているように思います。

【来週のドル円相場の展開も・・・】
来週は週明けに日本で金融政策決定会合が開かれ、火曜日に結果が発表されますが、当面の本邦の金融政策運営は大きく変化しないとの見方が大半であり、しばらくの間は日本の金融政策に由来する変化を材料にした為替相場の地殻変動が起きる可能性は小さそうです。一方、米国の経済指標については、横綱級の注目を事前に集めるものはありませんが、それなりに数はあるので、結果次第で相応の値動きを喚起する可能性はありそうです。ただし、来週の米国市場で供給が予定されている一連の経済指標だけでは、米国の金融政策運営に対する大きな期待のうねりを促すのはちょっと難しそうです。結果的に、来週のドル円相場も国内外の株価睨みで、これまでと類似の展開になってしまうリスクもあります。

【凪の後には必ず時化が来るのが為替相場の常・・・】
ただし、当たり前ですがドル円相場がずっとこのような動意を欠いた状態を続けることはあり得ません。日米の景気・金融政策運営に対する大きな期待の変化は、いずれ必ず生じるはずで、その時がくれば、今はこんな状態にあるドル円相場も様変わりし、ある程度の値幅を伴った方向感を打ち出してくると思われます。相場の値動きが小さくなるのは、やがて大きくなる予兆であり、往々にして「その時」は突然やってきたりします。唐突な相場の潮流変化に乗り遅れたり、置いていかれたりするのは、ある程度不可避なのが為替の世界ですが、なるべくそういう状態を短く切り上げて、早めに流れに乗る準備をするためには、どんなに退屈でもこの相場に頑張ってついて行くしかなさそうです。ドル円相場における閉塞感の強さは、環境がかなり煮詰まってきた証左であると思われ、きっかけが何になるかは分かりませんが、「その時」が来るのはそんなに遠い先ではなくなっているのかもしれません。

【来週もよろしくお願いします】
東京も来週あたりにはそろそろ梅雨入りの可能性が指摘されていて、今日なんかはかなり気温も高くて蒸してきています。これから初夏にかけての数ヶ月間の世界景気、株式市場の振る舞い次第で、年末にかけての為替市場の基本的な地合いが決まる正念場の局面が到来しているように思います。お互いバテてしまわないように健康には気をつけて日本の暑い夏を乗り切りたいものですね。来週もよろしくお願いいたします。

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