サイト内検索:

外為リアルタイムレビュー: 2010年3月28日バックナンバー

2010年3月28日バックナンバー

先週は円全面安気味の展開、来週の注目点は米雇用統計・・・

こんばんは。

先週の為替市場でドル円相場は大幅に上昇し、先月下旬以来久しぶりに1ドル=92円台を回復する展開になりました。1週間の動きを振り返ってみると・・・

【月曜日】
東京祝日で参加者少なめ、手掛かりとなる経済指標も殆どない中で、アジア時間帯は90円41銭から52銭で動意薄。ロンドン勢力参入後の買い仕掛けで一時90円77銭まで上昇する一方、NY勢力参入後の売り仕掛けで一時89円82銭まで下落するが、いずれもストップをつけるだけの動き。90円10銭界隈でNY引け。

【火曜日】
引き続き材料難で方向感模索。東京、ロンドン、NYを通じ、下値90円06銭、高値90円47銭と90円台前半の狭い値幅でのもみ合い推移。

【水曜日】
東京市場は円じり安。朝方の安値90円35銭から夕刻にかけて90円60銭台まで上昇。欧州時間に入り、一部格付け会社によるポルトガル国債格下げ報道を受けてユーロドルが急落。ストレートドル市場全般にドル買いが優勢になってドル円市場でもドル買いが加速。NY時間に入り、米国長期債利回りの急騰を受けて一段高となり、2月下旬以来の92円台を回復して一時92円42銭。NY引けにかけて小反落するも、92円10銭界隈で東京にバトンタッチ。ドル円の日足は今年最大の陽線を記録。

【木曜日】
東京序盤は利食い売りや実需の売り優勢で一時91円75銭まで下落。下値の堅さを確認して92円台を回復した後、海外市場でドル円急騰、NY市場で一時92円95銭と93円目前まで上昇する。「ユーロ圏首脳がギリシャ支援の具体策で合意した」との報道でクロス円が全面的に上昇したことに加え、前日に続いて米長期債利回りが上昇したことなどが、ドル円相場の上昇に寄与。

【金曜日】
東京、ロンドン、NYを通じて、安値92円30銭、高値92円89銭と終日92円台をキープ。国内外の株価、クロス円市場、米国長期債利回りの動きなどを睨みながら値幅作りを試みるも、92円台前半での下値の堅さと後半での上値の重さを確認するに留まり、92円52-53銭で週末引け。

・・・という流れでした。先週のドル円は、序盤ひとしきりもみ合った後、中盤から終盤にかけて大幅な円安が進んだ格好になっており、基本変動域が1ドル=90円台前半から92円台半ばまで、概ね2円以上も切上がる展開になりました。程度の差はあっても先週はクロス円の水準も持ち上がっており、円全面安の味付けが強い相場展開であったと言えると思います。

日々の細かい動きにはいろんな材料が複雑に絡んでいたので綺麗に整理するのは難しいのですが、非常に大雑把に言うと、先週の円安地合いの基本的な背景を形成していたのは、(1)ギリシャ支援の具体策が決まった後に進んだクロス円の上昇と、(2)米国長期金利の大幅上昇に促されたドル円の上昇、の2つだったように思います。

このうち、EU圏首脳会談で合意されたギリシャ支援の具体策については、昨年末から続いていたEU域内の小田原評定が一応終わったという点では評価できると思いますが、

(1)ギリシャが自力資金調達を諦めて要請してきた場合のみ支援を行うという「瀬戸際支援モデル」の形になっている。

(2)支援額の3分の1程度はIMFに頼る形になっていて、ユーロ圏各国の負担は軽減される一方で、域内の放漫財政問題を自力で解決する意思と能力が現時点で備わっていない印象を与える。

(3)支援額の3分の2程度はユーロ圏16ヶ国が拠出した資金による融資の形になるが、その中にはスペインやポルトガルも含まれていて、PIIGSがPIIGSを支援することについての微妙な違和感が残る。

(4)ギリシャ中銀や政府は支援要請をしないと言っているが、仮に今春の債務借り換えを乗り切れたとしても、問題の根治に必要なギリシャの財政再建がきちんと進むかどうかは、今後のギリシャの政治経済情勢次第であり、長期的監視が必要である。

(5)域内の問題国に対する万が一の資金繰りを保証するより包括的な仕組み作りや、ユーロ圏諸国の財政規律を相互監視し強化する仕組み作りに関しては、今回の首脳会談では先送り状態になり、これから作業部会を設置して年内に報告書を作る予定であるとのこと・・・

・・・などの諸点をふまえると、個人的にはこれでギリシャ問題が雲散霧消したとは思えません。目先のデフォルトリスクは今回の合意で一旦終息した感じなので、今春に予定されている大規模な債務借り換えは自力で出来そうな気もしますが、その後のギリシャの財政再建がきちんと進むのかどうかも含めて、市場の監視は続くと思います。

一方、先週の米国の長期金利の急騰については、米国の景気回復期待の強化というファンダメンタルな要因に立脚しているという感じではなく、米医療保険改革法案の成立による財政赤字拡大懸念や、5年債および7年債入札の低調、という需給要因によって促されたという色彩が強いことが気になります。近年のドル円相場が米国の国債利回りに敏感に反応して動く傾向が強いのは事実ですが、先週の金利上昇は景気回復期待の強まりによる良い金利上昇というよりは、需給悪懸念に基づく悪い金利上昇という感が強めでした。

その意味では、来週予定されている一連の米国経済指標の内容が注目されます。金曜日の夜に控えている米雇用統計が最大の注目材料であることは言うまでもありませんが、その前に発表される米ISM製造業指数やADP全米雇用報告などの前座を務める指標も含め、金利上昇に見合う米国景気の回復力が備わってきているのかどうかがチェックポイントになりそうです。

先週のドル円相場は久しぶりに大きな動意がみられて、面白い1週間でしたね。来週は、年度末の最終着地点と新年度入りの動きだしの両方を確認するとても大切な1週間になりますが、材料も豊富なので上下どちらに動くにせよ、引き続き面白い相場展開が期待できそうです。

今しばらくは相場を見ないで済みますので、その間英気を養って、また月曜日にお会いしましょう。来週もよろしくお願いします。

ご質問、ご感想などはこちらから

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
RSSで購読

カテゴリ

最新の記事

外為どっとコム