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ギリシャ問題でユーロが売られ続ける訳と解決策は?
- 2010年3月25日(木)17:56
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相変わらずギリシャ関連のネタで地合いの弱いユーロですが、なんでこんなにこの問題でユーロが売られ続けるのか、改めて考えてみました。
(1)ユーロ域内での国債の持ち合い比率は高いので、ギリシャが債務不履行を起こすと域内全体に悪影響が伝播するという懸念があるにも関わらず、この期に及んでもギリシャ支援の具体策がなかなか決まらず、救済策の提出を期待されている当事者たちが小田原評定を続けている。
(2)その間、EUやドイツは「ギリシャが自力で資金調達できない場合にはセーフティーネットを提供するから、それでなんとか安心して下さい」とか、「場合によってはIMFの力も借りるから大丈夫だと思って下さい」などと言ってはくるものの、「ギリシャが自力で資金調達できない状態になった」と判断する基準が曖昧で良く分からないし、セーフティーネットの具体像を見せないで信用しろと言われても不安である。そんな瀬戸際救済合意だけ見せられると、逆に瀬戸際が何処なのか見てみたくなる人もいる。
(3)仮に単発の急場しのぎの救済策で当面のギリシャの債務不履行不安を除去したとしても、問題の根本解決にはギリシャの財政赤字の削減が不可欠だということはみんな知っている。今年マイナス成長が予想されている国が大規模な増税や歳出カットをやって景気が悪くなったら税収が落ち込んでしまうかもしれず、本当に予定通り今年GDP比4%の赤字削減が出来るかどうか疑わしい。しかも、ギリシャは今年だけでなく、向こう何年間も財政赤字の削減をやり続けないといけない。来年秋にはギリシャで総選挙もあるのに、政治的にそんなことが可能かどうか、現時点で確信を持てる人は誰もいない。そういえば、ギリシャ国内は今年分の財政赤字削減を実施しただけで大規模ストなどが実施されて病院や警察まで参加しているらしい。
(4)昨日格下げされたポルトガルのように、程度の差はあってもギリシャ以外にソブリン格下げの懸念が囁かれている国がほかにも複数ある。同じような問題が将来にわたって起きるリスクを軽減するためには、「今春のギリシャの債務借り換え」だけを保護してもダメで、ギリシャも含めた域内の放漫財政国が将来同じような問題に直面した場合にその資金繰りを包括的に保護する仕組みを提示する必要や、ユーロ参加国全体が財政規律を維持するための新しいルールを作って提示する必要があるが、これにはもっと時間がかかりそうで、いつ出てくるのか分からない。
(5)ギリシャの債務不履行懸念で域内の金融市場が不安定化するのは他国も困るし嫌がっているが、それが理由でユーロが下落することについては、実はドイツやフランスなどの大国の輸出業者や農畜産業者は困るどころか喜んでいる節がある。実際、ユーロ高が進んでいた昨年秋までは、独仏の要人によるユーロ高けん制発言が相次いでいたが、現在同じ人達からのユーロ安けん制発言をとんと聞かない。
・・・などの理由が考えられます。売られて当然と言う感じもしますね。
ただし、さすがにここまでユーロが売り込まれる過程では、いわゆる投機筋を中心に、ユーロを借りてきてまで売る人や、買い戻さないと利益が確定できない人達の売りも膨らんでいるとみられます。今週のEUサミットで何か進展があれば一旦はユーロが一気に買い戻される可能性はあるかもしれません。また、値段が急激に下がれば逆張り系のテクニカルには買いシグナルが点灯したり、値段の安さに惹かれてそれなりに買い手が出てくるのもマーケットです。
一方、現在の最近のユーロ相場を取り巻く環境を考えると、値段が安くなった事以外に買う理由を見つけるのが難しい通貨になっているのも事実です。したがって、何かの拍子である程度買い戻されて値段が上がると買い手は少なくなってしまい、上値を追求していくムードにはなかなかならない感じです。
上記の諸点を考慮すると、ドル安圧力の主たる受け皿としてのユーロの容量が回復するためには、(1)ユーロ圏のソブリン保護の包括的な仕組みの構築や、(2)ユーロ参加国全体に対する新しい財政規律維持の枠組みの作成、などが必要だと思います。また、(3)古今東西、財政再建策をスムーズに進めるための特効薬は何と言っても景気拡大です。ユーロ域内で財政再建が必要そうな国ほど景気が良くないという現状も考えると、戻り売り圧力に対する不安からユーロが解放されるのには時間がかかるかもしれません。
もちろん、あまり想像したくないですが、今週のEUサミットで、具体策の提示が無いという可能性も現時点では捨てきれません。とにかく目先はそこだけでもなんとかしてほしいですね。




