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外為リアルタイムレビュー: 2010年3月13日バックナンバー

2010年3月13日バックナンバー

先週のドル円はほぼ寄引同値。来週は米日金融政策祭り?

こんばんは。

<先週のドル円の週足は、ほぼ寄り引け同値に近い形状>
先週のドル円相場は、「前半がやや円高気味の往って来い」、「後半がやや円安気味の往って来い」となり、週を通じてみると、東京の始まり値(90円44銭)とニューヨークの引け値(90円50銭)が殆ど変わらない「寄り引け同値線」に近い週足を残して一週間を終えました。

流れを簡単に振り返っておくと・・・

【月曜日】
国内外とも極端な材料難。東京、ロンドン、ニューヨークを通じて、90円15銭から67銭の値幅で一進一退。前週末の「米国雇用統計ショック」で回復した90円台をキープしただけの動き。

【火曜日】
東京時間帯、日本株の弱含みを受けたクロス円の下落につれて90円割れ。その後一旦90円台を回復するが、欧州時間帯に入って格付け会社フィッチがポルトガル国債格下げの可能性を示したほか、英国、スペイン、フランスの財政状況への懸念を表明したことでユーロ円、ポンド円を中心にクロス円が軒並み急落、ドル円も巻き込まれて一段安となり、18:00台には一時週間安値の89円62銭を記録。ただし、NY市場ではショートカバー優勢で90円前後に値を戻す。

【水曜日】
東京時間帯は、ひねもす90円前後の攻防戦。欧米時間帯に入り、日銀の追加政策への期待を表明した鳩山首相や菅財務大臣の発言等が海外勢に蒸し返されて円全面安の展開に。プローディー前欧州委員長の発言等を手掛かりに「ギリシャ問題が当面の最悪期を脱しつつある」との見方が広がって株価が上昇したこともリスク・オンの円売りを誘い、24:00台に一時90円82銭と「米雇用統計ショック」後の高値を更新。

【木曜日】
利食いに押されて反落、東京前場で一時90円20銭まで下落するが、下値は堅い。欧米時間帯を通じて、90円30銭台から60銭台で一進一退。

【金曜日】
東京時間帯は90円50銭から70銭台で一進一退。ロンパチ通過後、ドル売りで参入してきた欧州勢の動きに押されてクロス円も下落すると、ストップロスを巻き込んで一時90円14銭まで急落。ただし、下値追求の動きはそこまでで、ショートカバーで値を戻したのち、予想外に良かった米2月小売売上に反応して2月23日以来の91円台となる91円07銭まで急騰。その後発表された3月ミシガン大消費者信頼感の予想を下回る内容を受けて利食い売り優勢となり、週末のポジション調整も加わって最後は90円50銭で週末引け。

・・・という感じでした。金曜夜の暴れ方は凄かったですが、週末固有のポジション調整も加わって、ドル円相場だけをみると、週足はほぼ寄り引け同値になってあまり方向感が出ない一週間だったように思います。

<クロス円も含めて見ると、週後半は円安気味の味付けがやや濃かったかも・・・>
ただし、ドル円相場について、どちらかと言うと記憶が新しいこともあって、火曜日に見た89円62銭の印象よりも、金曜日の夜に久しぶりに見た91円台の印象の方が強い状態で週末を過ごしている人の方が多いのではないでしょうか。また、クロス円市場の動きをみると、ユーロ円もポンド円も豪ドル円もNZ円もカナダ円も、週半ばから週末にかけて軒並みかなりの幅で円全面安が進んでいました。総合的に判断すると、先週は特に週後半にかけて円安気味の味付けが為替相場で目立つ印象が強かったように思います。

週後半にみられた断続的な円安の動きは、(1)日銀に対する追加金融緩和期待、(2)ギリシャ問題が峠を越えつつあるとの期待、(3)事前予想を大きく上回った米国小売売上の良好な結果、が三本柱になっています。したがって、来週の相場展開を考える上では、引き続きギリシャ問題の当面の着地にむけた動きと、日米の金融政策に対する期待の変化が注目されそうです。

<ギリシャ問題で進展があればユーロ買い戻し要因になりそうですが・・・・>
このうち、ギリシャ問題については、根本解決までの道のりは今後のギリシャ自身の傷みを伴う努力の継続如何にかかっていて、向こう何年間という長居時間軸の中でしかちゃんと評価は出来ないもの、先週の要人発言等から類推する限り、ギリシャ政府の取り組みが始動し始めたことを評価する動きと、その見返りとしての救済保障に関する何らかの枠組みが近く提示される可能性は高くなってきた感じがします。来週何らかの動きがあれば、ユーロドルやユーロ円相場でのユーロ買い戻し材料になるかもしれません。ドル円相場への影響は、ユーロドルでのドル売りに反応するのか、ユーロ円での円売りに反応するのか、その時の相場環境や雰囲気で違うようなので微妙です。

<来週水曜未明から昼間にかけての米日金融政策フェスタに注目>
一方、来週のドル円を考える上で、上記よりもずっと大切なのは、やはり日米の金融政策です。周知のように、来週は火曜日の深夜27:15に米国FOMCの政策発表が予定されており、夜が明けた水曜日の日本の昼間に日銀の金融政策決定会合の結果発表が控えています。米国と日本の金融政策の結果が連続して発表されるこの時間帯が来週最大のヤマ場になりそうです。

<米国の金融政策に劇的な期待の変化が起きる可能性はまだ小さそうですが・・・>
このうち、先に発表される米国の金融政策については、予想外の公定歩合引き上げによって喚起された「前のめり」な利上げ期待は一旦終息しましたが、その後の状況変化を踏まえ、FRBの景気判断やFOMC内部での意見のバランスなどに微妙な変化が起きているのかどうかが注目されます。出てくるまでは何とも言えませんが、最近の米国の経済指標の動きなどから判断する限り、事実上の金融引き締め効果を持つ「時間軸文言の変更」が今回起きそうな可能性はまだ小さそうだと思っています。あまり劇的な期待の変化は出てきにくいのではないでしょうか。

<日本の追加金融緩和の可能性を巡り、国内外の市場参加者の期待に温度差?>
その意味では、今回は日銀の金融政策決定会合の方が面白いかもしれません。先々週末の日本の主要紙の朝刊で報道された「日銀による追加金融緩和の検討」に関する報道以来、特に海外勢力を中心に妙にこのネタを使って値幅を作り込んでみようという風潮が高まっているように感じます。

「日銀の追加金融緩和の可能性」について、地元日本の参加者は、政府と日銀の間に横たわる微妙な温度差を日々母国語で感じ取っていますし、菅財務大臣や白川日銀総裁の発言のトーンや表情なんかに接する機会も多いので、「何か追加策らしきものが出てくるにしても、過度の期待は禁物」という感じで「斜に構えている」人が多いように思います。一方、この手の政策ネタが比較的好きな海外勢力の中には、やや確信犯的な匂いもしますが、かなり「前のめり」気味の期待を先行させる形で日本の金融緩和ネタを値幅作りに活用してようとしている人達もいるように思います。

<久しぶりに日本発の金融政策ネタで相場が動く可能性も・・・>
なので、来週水曜日に日本人もびっくりするような予想外に踏み込んだ金融緩和政策を日銀が出してくれば、株高や円安の流れを後押しする材料になるかもしれない一方で、日本市場の参加者にとっては概ね想定の範囲内でも、一部の海外勢力にとって「期待外れ」の結果に終わった場合は、真逆の反応が出てくる可能性もありそうです。結果がどうなって、ドル相場がどちらに振れるにしても、日銀の政策由来の値動きがそれなりにある可能性に注意しなくてはならないと思います。

いずれにしろ、米FOMCでの金融政策の結果発表と日銀の金融政策決定会合の結果発表が未明から昼間にかけて連続する来週の水曜日は、日米の金融政策に対する思惑の変化が東京市場で複雑に絡み合って相場を大きく動かす可能性があります。最近、日本初の材料に対する為替市場の感応度はイマイチなのが多いですが、来週はもしかしたら、久しぶりに「日本発の材料」が「東京市場」で材料視されて為替相場を大きく動かす可能性もあって、楽しみな一週間になるかもしれません。

<いつも弊社のHPに来て下さってありがとうございます>
もちろん、相場を動かす材料は上記だけではありません。米日金融政策フェスティバルの前後に予定されている経済指標などの細かい材料も含めて、きちんとフォローしていこうと思います。

あと約35時間後にまたお会いしましょう。来週もよろしくお願いいたします。

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