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昨年の為替相場と今年のドル円の展望 - 外為リアルタイムレビュー

昨年の為替相場と今年のドル円の展望

新年を迎え、新たな気分で今年一年の相場展望の気運が高まっています。

新年の為替相場を展望するに際し、改めて昨年の円相場の足跡を振り返ってみると、通貨ペアによる違いや途中の紆余曲折はあったものの、最終的には円安気味で引けたことに感慨を覚えます。

まずドル円相場についてみると、2009年1月2日のロンドン市場の初値が90円70銭、12月31日のニューヨーク市場の終値が93円14銭で、昨年のローソク足は2.69%の円安引けでした。4月初旬に記録した高値101円台から11月下旬に記録した84円台に至るまで、相場のベクトルとしては円高方向への動きが市場を支配していた時間帯が長かったため、「2009年は円高の年」という印象も強いですが、師走に見られた怒涛のドル買いが最後に効いて、閉幕してみれば年末は気持ち程度ですが、年初に比べてドル高・円安でした。

同じような発想で、昨年年初のロンドン初値とニューヨーク終値のG20通貨に対するクロス円相場の騰落率を調べてみると、

(1)ロシアルーブル円が3.11円から3.10円で▲0.3%の円高
(2)アルゼンチンペソ円が26.25円から24.51円で▲6.7%の円高

になっている以外は、ユーロ円(年初比+5.4%)、ポンド円(同+13.4%)、カナダ円(+20.0%)、豪ドル円(+31.3%)、中国人民元円(+2.6%)、インドルピー円(7.6%)、ブラジルレアル円(+37.4%)、南アフリカランド円(+31.5%)、メキシコペソ円(+8.2%)、新トルコリラ円(+6.0%)、サウジアラビアリヤル円(+2.7%)、インドネシアルピア円(+20.4%)、韓国ウォン円(+11.7%)と、殆どの通貨に対して数パーセントから数十パーセントの円安・外貨高で引けています。クリスマスの日にも書きこみましたが、地球的規模で昨年の為替相場を概観した場合、円安とドル安が進んだ1年だったと言うのが、冷静な評価になりそうです。

昨年の世界景気の動きを振り返ってみると、2008年秋のリーマンショックを契機に勃発した世界的な金融危機の影響で、戦後最悪の落ち込みを経験した後、G20各国が採用した異例の金融緩和、信用緩和、財政出動の効果によって、春先以降は緩慢ながらも回復基調を維持する形で現在に至っています。世の中が正常な状態に戻ろうとする際には、日本円は世界的には売られ易い通貨に分類されるのかもしれませんね。

問題のドル円相場については、2009年の年足の形をみると、「ローソク本体の厚みが殆どなくて、上ヒゲと下ヒゲだけが異様に伸びている」という、とても特徴的な姿をしています。テクニカルの入門書では、「相場の転換点」に表れる相といわれていますが、90年代前半の円高相場の最中の92年にも同じような相が表れているところなどをみると、必ずしも「相場の方向が変わる予兆」だとは言えそうにありません。個人的には「無茶苦茶暴れた割には方向感を作り切れずにいたエネルギーを溜めこみ、次にどちらかに動きたがっている」という相のように思います。よって、2010年のドル円相場は、陰線で終わるにしろ陽線で終わるにしろ、ローソク足本体の厚みは比較的しっかり作りそうな気がします。

その際、鍵を握るのは、日米の金融政策動向になりそうです。デフレを「許容しない」と明言した日銀の言葉を信じる限り、日本の早期利上げを期待するのは難しそうですので、やはり、最大のポイントは米国の金融政策動向になりそうです。非常に単純化してイメージすると、米国で早期利上げ期待の実現確率が高まる場合はドル高の流れで陽線引け、逆ならばドル安圧力再燃で陰線引けということになるのでしょうね。

「ドルの短期金利がほぼゼロで、しかもその長期化が見込まれる」という状態は、かつて誰も体験したことの無い世界でしたので、その異常な環境が変化して、「いよいよドルに金利がつき始める」という期待が膨らむ場合も、萎む場合も、相場に与える影響は大きいのではないでしょうか。今年は年初の滑り出しが93円台でしたので、米国景気回復、利上げ期待膨張、ドル高の場合は105円前後、米国景気息切れ、利上げ期待消滅、ドル安の場合は80円前後までの動きはあるのかもしれません。

いずれに向かうのかは、これからの米国経済動向次第ですが、取敢えず目先的には、今週末に発表予定の米12月雇用統計につながる一連の経済指標の内容が注目されるところです。

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